――「70点でも、生きてていい」
病気と向き合う中で、「今の自分をどう受け止めるか」は、私にとって大きなテーマになっていきました。
ずっと「ちゃんとしなきゃ」「迷惑をかけちゃいけない」と思い込んでいた私は、回復する中でも、なかなか“許す”ということができませんでした。
けれど、少しずつ「それでもいい」と思えるようになってきたとき、私はやっと“生きやすさ”というものに触れ始めたのだと思います。
少しずつ、できることが増えてきました。
電車に乗れる日もあれば、途中下車してしまう日もあります。
それでも、どこにも行けなかった頃と比べたら、私なりにちゃんと前に進んでいます。
病気になる前の私は、「100点じゃなきゃ意味がない」と思っていました。
仕事でも、人間関係でも、何でも完璧を目指してしまっていたのです。
周りからどう見られているかが常に気になっていて、自分がどうしたいかなんて考える余裕もありませんでした。
でも今は、「70点でも、それで十分」と思えるようになってきました。
疲れたら休んでいいし、何もできない日があってもいい。
“生きているだけで100点”――そんな言葉を、ようやく心で受け取れるようになった気がします。
もちろん、今も波はあります。
ふとした拍子に、昔の記憶がフラッシュバックして、不安になったり、涙が出たりすることもあります。
だけどそんなときも、「こんな日もあるよね」と、自分に優しくできるようになりました。
カウンセリングで出会った言葉があります。
「過去を否定しなくていい。否定せずに、受け入れていくこと」
この言葉に、私はどれだけ救われたかわかりません。
今の私は、「あの頃の自分も、よく頑張ってたよ」と言ってあげられます。
無理して、誰にも頼れなくて、それでも必死に生きようとしていた私に。
これからの私は、“自分らしく生きる”ことを大切にしていきたいと思っています。
他人の期待に応えなくてもいい。
完璧じゃなくても、愛されていい。
私は私のままで、生きていける。
そんなふうに思える日が、少しずつ増えてきています。
そしてそれが、私の“これから”なのだと思います。