あとがき

うつ病体験記

――「回復の途中から、あなたへ」

この物語を書き終えて、最後に伝えたいことがあります。

それは、「今も私は回復の途中にいる」ということです。

完全に元どおりになったわけでも、いつも前向きでいられるわけでもありません。

それでも、「今の自分をそのまま受け入れよう」と思えるようになったからこそ、このあとがきを綴ろうと思いました。


この体験記は、私の「途中経過」の記録です。

うつ病も、パニック障害も、rTMS治療も、恋愛依存や愛着障害も、

私はすべてを“乗り越えた”わけではありません。

今もなお、波のように訪れる不安や落ち込みと向き合いながら、

少しずつ、少しずつ、前を向こうとしています。

最初は、この体験を書くことが怖かったです。

過去を思い出すたびに胸が苦しくなり、言葉にするだけで涙が出てしまう。

でも、書いていくうちに気づいたんです。

**「私は、あの頃よりも回復してきている」**と。

思い出しても大丈夫なことが増えました。

過去を言葉にできるということは、それだけ心が整理されてきた証拠かもしれません。

この文章を、どこかで誰かが読んでくれたなら。

今、苦しみの中にいる誰かが「一人じゃない」と感じてくれたなら。

こんなに嬉しいことはありません。

私もまだ、途中です。

恋愛に不安になったり、誰かに頼りたくなったり、

完璧じゃない自分に落ち込んでしまう日もあります。

でも、そういう自分を理解して、受け入れて、

「それでも私でいい」と思えるようになってきました。

この体験を発信することで、

“過去の私”が、今の私に助けられている気がします。

だから、これからも私は書いていきます。

伝えていきます。

「生きてるだけで、じゅうぶんなんだよ」って。

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